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便潜血検査で陽性が出たら大腸カメラを受けるべき理由

2025.12.26

健康診断で「便潜血陽性」と言われると、不安な気持ちになる方も多いのではないでしょうか。実際に結果を受け取っても、「痛みや症状はないから大丈夫では」と考えて放置してしまうケースも少なくありません。しかし、便潜血検査で陽性となった場合、症状がなくても早めに大腸カメラ検査を受けることが非常に重要です。この記事では、便潜血検査の意味や陽性になる理由、そして大腸カメラ検査を受けるべき背景について、わかりやすく解説します。適切なタイミングで検査を受けることで、将来の健康を守る大きな一歩になります。

便潜血検査とは

便潜血検査は、便に混じった目に見えない微量の血液を検出する検査です。多くの健康診断では、2日間にわたって便を採取する「2日法」が採用されています。これは1回の検査では見逃しやすい出血も、複数回の検査で捉える精度を高めるための工夫です。

大腸がんや大腸ポリープがあると、便が腸内を通過する際に病変部分と接触し、わずかに出血することがあります。この出血は肉眼では確認できないほど微量ですが、専用の検査キットで化学的に反応させることで検出できる仕組みです。健康診断や人間ドックで広く実施されており、自宅で便を採取して提出するだけという手軽さが特徴となります。

検査そのものは痛みもなく、負担が少ない方法として多くの方に受け入れられています。ただし、陽性と判定されても必ずしも大腸がんがあるわけではなく、痔や炎症などでも陽性になることがあります。逆に、陰性だからといって病変が絶対にないとも言い切れません。あくまで「可能性を見つける入口」としての役割を持つ検査であり、精密検査が必要かどうかを判断する目安として活用されるものです。

便潜血陽性の意味とその原因

便潜血検査で陽性になった場合、何らかの理由で消化管から出血している可能性が示されます。原因として考えられるのは大腸がんや大腸ポリープ、大腸憩室炎、潰瘍性大腸炎といった病気のほか、切れ痔やいぼ痔などの肛門疾患も含まれます。陽性だからといって必ず重大な病気があるわけではありませんが、放置すると進行する病変を見逃してしまう恐れがあるため注意が必要です。

便潜血陽性となる主な原因

原因は大きく「がん・ポリープ」と「その他の疾患」に分けられます。大腸がんは初期段階では症状がほとんど現れないため、便潜血検査が重要な発見の機会となります。ポリープは良性の段階で切除すれば、将来的ながん化を防げる病変です。一方で、炎症性腸疾患や痔などでも陽性になることがあり、陽性=がんではない点も知っておく必要があります。

大腸カメラ検査が必要な理由

便潜血陽性となった場合、次のステップとして大腸カメラ検査が求められます。これは、大腸全体を直接観察できる唯一の検査であり、微小な病変も見逃しにくいという大きな利点があるためです。検査中に異常が見つかれば、その場で組織を採取して詳しく調べたり、小さなポリープであればその場で切除したりすることも可能です。これにより、別日に再度検査を受ける負担を減らせます。

CT検査やバリウム検査でも大腸の状態を確認できますが、小さな病変の発見精度では大腸カメラに及びません。また、画像検査だけでは良性か悪性かの判断が難しく、結局は大腸カメラでの確認が必要になることも多いのです。便潜血陽性という結果は、「より詳しく調べる必要がある」というサインであり、大腸カメラはその答えを得るための確実な手段となります。症状がない段階で検査を受けることで、早期発見・早期対応が可能になり、治療の選択肢も広がります。

検査を受けるタイミングと準備

大腸カメラ検査は、便潜血陽性の結果が出たらできるだけ早めに予約することが望ましいとされています。目安として、結果を受け取ってから3か月以内に受けることが推奨されており、先延ばしにすることで病変が進行するリスクも高まります。検査前日から食事制限があり、当日は腸内をきれいにするための下剤を服用する必要があるため、事前の説明をよく聞いて準備を整えることが大切です。

検査そのものは通常30分程度で終わり、希望に応じて鎮静剤を使用することで、ウトウトした状態で検査を受けることができ、苦痛や不安を大きく軽減できます。不安な気持ちを抱える方も多いかもしれませんが、医療機関では安全に配慮した体制が整えられており、事前に疑問や心配な点を相談することで安心して臨めるようになります。検査後は結果の説明を受け、必要に応じて治療方針が提案される流れです。

まとめ|便潜血陽性は見逃してはいけないサイン

便潜血検査で陽性となった場合、自覚症状がなくても必ず精密検査を受けることが重要です。この検査は大腸がんや前がん病変を早期に発見するための大切な入口であり、放置することで病変が進行してしまう可能性があります。大腸カメラ検査は精度が高く、異常があればその場で対応できる優れた検査方法です。早期に発見できれば治療の負担も少なく、将来の健康を守ることにつながります。

「いつもと変わりない」と感じていても、体の内側では静かに変化が起きていることがあります。便潜血陽性という結果は、体が発している小さな合図です。判断に迷うときや不安を感じるときは、当院へご相談ください。

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